高齢者世代の消費へのインパクト

NTT労組機関誌『あけぼの』2012年3月号


高齢者世代の消費へのインパク


平成23年高齢社会白書』によれば、65歳以上の高齢人口と現役世代(15〜64歳の生産年齢人口)の比率は、2010年時点で2.8,2055年には1.3にまで低下すると予測されている。1人の高齢者を1.3 人の現役世代が支えるということである。

耳にタコができるくらい聞かされていることではあるが、聞くたびにため息が出る。高齢化社会トップランナー日本の危機的状況は、国民共有の認識である。なんとかしなければならない。とはいえ、打出の小槌がどこかにあるはずもないから、超高齢化社会の福祉をめぐる負担と給付のバランスを考えると、誰でも目の前が暗くなる。パニックに陥りそうになるのも無理はない。

ところで、われわれはこの問題を考えるときに、どうしても、財政負担増、労働力人口減少、あるいは国民貯蓄率低下など、マクロ経済に対する否定的インパクトの側面のみに目を奪われがちだ。そのように考えることが、いわば「習い性となる」かのごとく、頭に刷り込まれている。しかし、よく考えてみると、福祉財源から給付されたお金は、国民経済への負担という側面を持つと同時に、そのお金が消費されることによって内需を支える効果を持つのである。


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