2010-01-01から1年間の記事一覧

ビッグマック指数に見る日本円、人民元の評価

NTT労組機関誌『あけぼの』2010年11月号ビッグマック指数に見る日本円、人民元の評価英国の経済誌『エコノミスト』の冷徹な観察眼と辛口のユーモアには、いつも感心する。「通貨戦争」を特集のテーマとした10月16日号の表紙と記事も、そんな『エコノミスト』…

久本憲夫編著『労使コミュニケーション (叢書・働くということ) 』

久本憲夫編著『労使コミュニケーション (叢書・働くということ) 』 本書は,橘木俊詔・佐藤博樹監修「叢書・働くということ」の1冊として,労使関係を扱う論考を集めた論文集である。叢書全体の主旨を記した「刊行によせて」は,「人はどのように働けばよい…

スノーウィと代助の近況

代助とスノーウィの対決撮影日:2010年11月10日 撮影者:ksスノーウィの近況1撮影日:2010年11月11日 撮影者:tsスノーウィの近況2撮影日:2010年11月11日 撮影者:ts

時代の波頭を駆け抜ける医療ドラマ

犬も歩けば労働に当たる(第16回)『月刊連合』2010年11月号時代の波頭を駆け抜ける医療ドラマ 犯罪、病い、教育は、古くより素人政談の三大定番だ。誰でもが大きな利害関心を抱き、自らの体験をふまえて一家言を持っている。テレビ・ドラマの中でも、警察、…

能勢克男8mm映画全作品上映

1989年の第1回山形国際ドキュメンタリー映画祭での『疎水』の上映以来,多くの人々を魅了しながら,作品上映の機会はごく限られていた幻の映像作家能勢克男*1。その8mm映画全作品31編を上映するという画期的な催しが,12月5日に立命館大学衣笠キャンパスで行…

大学における研究・教育と労働映画

アメリカでは,社会労働運動のサークルや,大学の研究・教育の中で,労働映画が資料・教材として盛んに活用されています。たとえば,下記のカリフォルニア大学バークレー校David Levine教授の講義はその一例です。 Lectures on Films About Work by Professo…

記録映画の製作主体とジャンル

記録映画の製作主体とジャンルについて考えてみました。いまだ粗雑な試論の域を出ませんが,覚書としておきます。 製作主体(スポンサーは誰か),想定される観客層(製作主体が訴えようとする対象),そして製作主体の製作意図を受けて作品を創造する映像作…

労働映画の操作的定義とその適用

久しぶりに労働映画について考えてみました。まず,労働映画とは何か。次のような操作的定義を出発点に考えてみてはどうかと思っています。 労働映画の定義(試案) 労働映画とは,記録映画,劇映画を含め,次の規準を満たす映像記録作品である。(1) 労働者…

久本 憲夫編著『労使コミュニケーション』

本日(10月25日)発行の『大原社会問題研究所雑誌』625号に下記の書評を書きました。 ○大原社会問題研究所雑誌 625号 2010年11月号(10月25日発行) http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/625/index.html ■書評と紹介 久本 憲夫編著『労使コミュニケーショ…

或る日の代助とスノーウィ

或る日の代助とスノーウィ スノーウィ:エッ,なになに? 代助:つっまんねーなあ! スノーウィ:僕も,なんかつまんなくなってきちゃったよ。

豊かさを決めるもの

NTT労組機関誌『あけぼの』2010年10月号 豊かさを決めるもの 豊かさを求める心は、われわれの日々の暮らしの原動力である。豊かさは、一人ひとりの人生の希求であると同時に、その総和としての国民的生活水準の向上は、国政の最重要課題でもある。けれども、…

江里口 拓『福祉国家の効率と制御―ウェッブ夫妻の経済思想』

教育文化協会のウェブサイトにある「本と資料の紹介コーナー」に,江里口拓『福祉国家の効率と制御―ウェッブ夫妻の経済思想』を紹介しました。経済思想史の専門書ですが,労働組合のリーダー,活動家にも是非読んでもらいたいと思います。古典は読み方次第で…

犬も歩けば労働に当たる第15回

犬も歩けば労働に当たる(第15回)『月刊連合』2010年10月号 産業遺産探索・工場萌えは産業の営みの深層に迫れるのか 現代日本ポップカルチャーの内包的深化と外延的拡大の担い手として、一群の「萌え」の狩人たちをあげることは、おそらく異論のないところ…

京の空3題

この街は本当に空がよく見える。高い建物がほとんどないから。伏見より桂を望む。 撮影日:2010年8月6日伏見より西南方を望む夕空。 撮影日:2010年8月7日今出川付近の秋空。 撮影日:2010年10月5日

団塊世代の行方

ユナイテッド航空日本語版機内誌『リーダーズレビュー』Vol.037,2007年7月号,pp.20-23. 団塊世代の行方―高齢化社会の雇用問題を読み解く 「団塊の世代」は堺屋太一が1976年に発表した同名の小説に由来し,通常1947年から49年までの3年間に生まれた戦後日本…

ITと労働・雇用

『生活経済政策』No.50(通巻466号),2001年3月,pp.1-7.ITと労働・雇用ITとは便利な言葉である。なによりも短い。ワープロでいえば,たったのキー・ストロークふたつで足りる。そこに,なんでもかんでもつめこめるのだから,物書きにとってこれほど便利なも…

社会的価値に対する消費者の支持

NTT労組機関誌『あけぼの』2010年9月号 社会的価値に対する消費者の支持 企業の「利益」と「社会的責任」は両立可能かわれわれの経済行動が自己利益極大化を図るホモ・エコノミクスを前提にして,よく説明できることは,たしかに真理をついている。しかし,…

組織再編成後の企業実態

NTT労組機関誌『あけぼの』2003年7月号 組織再編成後の企業実態 職場のモラールダウンを懸念 ―雇用の維持・拡大へ起業支援策を店をたたむ人がますます増え、地方都市の商店街のさびれぶりは、ますます目立つようになった。工場を閉じる話も頻繁に聞く。大企…

犬も歩けば労働に当たる 第14回

『月刊連合』連載記事 犬も歩けば労働に当たる 第14回(2010年9月号)『就職戦線異状なし』から『就活戦線異状あり』へ「搾取されるよりもみじめなことがただひとつある。それは、搾取される機会す5ないことだ」という英語のジョークがある。「ひどい仕事でも…

地域通貨とは

NTT労組機関誌『あけぼの』2003年2月号 地域通貨とは 地域コミュニティの再生へ 心のふれあう助け合いの通貨往年のNHK名作人形劇「ひょっこりひょうたん島」が近々リバイバルするそうだ。懐かしいなあと思って,情報を探ろうとネットで検索してみたら,ひょ…

京の空

2010年9月16日17時04分 烏丸今出川より大文字をのぞむ

不安列島からの脱却策

NTT労組機関誌『あけぼの』2002年7月号 不安列島からの脱却策 生活の閉塞感強まる今こそ 求められる労組の存在意義 渋谷や池袋の街角で,赤いベレー帽をかぶったガーディアン・エンジェルス(犯罪防止NPO)の若者たちの姿が目立つようになった。本家のニューヨ…

価格比較

NTT労組機関誌『あけぼの』2002年4月号 価格比較 ウェブ上の情報が消費者にも影響 長期的視点でのクールな観察必要 インターネット上に日々蓄積されていく膨大な情報の中で,実際に役に立つものを見つけるのは,実はそう簡単なことではない。そこでポータル…

岐路に立つアニメ産業

NTT労組機関誌『あけぼの』2002年3月号 岐路に立つアニメ産業 デジタル化対応への資金的余裕なし 産業基盤整備など公共政策の展開が不可欠 エンタテインメントを中心とするメディア・コンテンツ産業は,いまや米国の一人勝ち状態といわれ,とりわけこの分野…

国際化の胎動

NTT労組機関誌『あけぼの』2001年5月号 国際化の胎動 IT・キャラクターなど技術・文化輸出増加で 日本の特許収支が初めて黒字に せっかく回復しかけた景気も,踊り場から底割れに移行しつつあるとの観測が強まるにつれて,巷間では,「失われた10年」が再び…

人事処遇制度の改革

NTT労組機関誌『あけぼの』2000年12月号 人事処遇制度の改革 メンタルヘルスに与える影響考え 人間的配慮をはらった制度改革をいま足元の職場の状況をみれば,要員は減り,仕事の量は増え,質は高度化し,成果主義のもとで,きつさもまた増している。最近の…

ゼロ金利政策解除

NTT労組機関誌『あけぼの』2000年8月号 ゼロ金利政策解除 中央銀行の役割は“通貨価値の安定” 日銀はデフレ持続退治に尽力すべき投資銀行筋の観測によれば,国際金融の現状は,過去10年間でもっとも緩和基調にあるという。そうした金融政策をめぐる国際的動向…

日本経済も「捨てたものではない」

NTT労組機関誌『あけぼの』2000年4月号 日本経済も「捨てたものではない」 パソコン・iモードなどIT新時代の兆し プラス志向持った今後の選択がカギ 日本列島全体に「後ろ向き」症候群がはびこって久しい。80年代の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の自信過…

「雇用なき景気回復」の落し穴

NTT労組機関誌『あけぼの』1999年12月号 「雇用なき景気回復」の落し穴 生活水準の持続的向上の実現へ 安心社会への新たな発展の布石を日本経済も,ようやく景気の底入れから回復への転換局面にさしかかった。11月に発表された各調査機関の1999年度成長率予…

日本におけるコーポレート・ガバナンス

NTT労組機関誌『あけぼの』1999年7月号 日本におけるコーポレート・ガバナンス 労働者が経営参加できる制度的枠組みを強化発展させよ近ごろ,「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」という耳慣れない言葉が,しばしば新聞雑誌の経済欄や解説記事に登場する…