ゼロ金利政策解除

NTT労組機関誌『あけぼの』2000年8月号
<経済・産業> ゼロ金利政策解除
中央銀行の役割は“通貨価値の安定”
日銀はデフレ持続退治に尽力すべき

投資銀行筋の観測によれば,国際金融の現状は,過去10年間でもっとも緩和基調にあるという。そうした金融政策をめぐる国際的動向の中で,唯一の例外は日本であった。日米欧三極の主要経済圏の中で,日本のみは,デフレ状況で,いまだに景気低迷から脱しきれないでいる。しかも,18カ月間にも及ぶゼロ金利政策のもとでも,強い円と株価低迷のために,金融は依然としてタイトな状態で推移している。主要先進工業国の中で,日本は利上げを必要としない国であった。
中央銀行の果たすべき役割は,今も昔も変わらない。ひと言でいえば,「通貨価値の安定」につきる。そのための具体的政策目標が明確にされないままに,政策の手詰まりを「逆転の発想」で打開しようというところに無理がある。日本銀行は,「ゼロ金利」という「異常」を脱することよりも,デフレの持続という「異常」の退治のために尽力すべきである。


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