社会的価値に対する消費者の支持

NTT労組機関誌『あけぼの』2010年9月号

<経済・産業> 社会的価値に対する消費者の支持
企業の「利益」と「社会的責任」は両立可能か

われわれの経済行動が自己利益極大化を図るホモ・エコノミクスを前提にして,よく説明できることは,たしかに真理をついている。しかし,これはわれわれの行動原理の一面に過ぎない。消費者や企業の経済行動が自己利益極大化原理だけで動いていないこともまた,おそらく確かなことなのだ。
実験精神旺盛なアメリカでは,人々の経済行動を律する原理は何なのかを実験によって確かめようとする「実験経済学」という分野が近年注目を集めている。数々の実験によって得られた結論は,ごく大まかに言えば,「人々は他者のことを配慮するし,社会的公正さにも大きな関心を持っている」ということであった。
「実験経済学」の最新の研究成果のひとつに,「払いたいだけ払う(pay what you want)」という新しい価格決定方式に関する実験がある。その結論は,この価格決定方式は企業と顧客の間での社会的責任の共有を促し,「企業の利益」と「社会的価値に対する顧客の支持」の両方を向上させる上で一定の有効性を持っているとしている。


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