労働組合からみた雇用政策の視点

(『勤労者福祉』、No.60、2001年2月)
労働組合からみた雇用政策の視点―持続可能な「柔軟性」
鈴木不二一

安易な「雇用流動化」の勧めは危険であり、その効果は過大評価できない。日本の雇用システムは‘労働生産性の向上を可能にしてきたし、メリットは低下していない。長期安定雇用が企業側にリスクを伴うことは事実であろう。けれども、そのリスク低減のために必要なのは公共的労働市場政策である。「労働力を、必要な時に、必要なだけ確保しよう」という動機に基づくスポット的な労働力確保策は、結局は人材使い捨てにつながりかねず、持続可能とはいえない。労働市場における、持続可能な「柔軟性」の条件を探る視点が重要である。

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