「スト資金」(特集:あの議論はどこへいった)『日本労働研究雑誌』2011年4月号掲載

3月25日発行の『日本労働研究雑誌』2011年4月号,「特集:あの議論はどこへいった」に,次の記事を書きました。


スト資金─「新しい現実」の中で古い議論の再生を 鈴木不二一


「過去において研究の蓄積があったテーマについての議論を振り返り、その現在的意義についてあらためて考えてみたい」という特集趣旨にどこまで応えられたのかは分かりませんが,忘却の彼方にある議論の典型であるかにみえる「スト資金」の問題を,このままお蔵入りさせるべきではない,歴史の屑籠に入れるのは早すぎるという主張を展開したつもりです。


拙稿のことはともかくとして,この特集の冒頭にある玄田有史先生の「二重構造論―『再考』」は秀逸です。本質的な論点は何一つもらさない,見事な研究レビューと今後の展望は,短いスペースに凝縮されているが故に,かえって圧倒的な迫力でせまってきます。まさに,知的刺激に充ち満ちています。玄田先生の提起をうけた,今後の研究の盛り上がりに期待します。