2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日本はまだまだ平等を捨てていない

『月刊・連合』2000年12月号、連合総研短信久方ぶりの視聴率25%超えのドラマ「やまとなでしこ」(フジテレビ、月曜夜9時)が、ますます盛り上がっている。登場人物たちは、いずれも天は二物を与えずの典型である。頭はいいけど、お金がない、MIT数学科大学…

ロナルド・ドーア著『働くということ−グローバル化と労働の新しい意味』

『生活経済政策』2005年8月号(No.103)ロナルド・ドーア著(石塚 雅彦訳)『働くということ−グローバル化と労働の新しい意味』(中公新書) たどりついてみれば、21世紀初頭の世界は、少なくとも普通の人々にとっては、輝かしいものではなかった。それどころ…

雇用ビックバンをいかに回避するか

連合総研機関誌『DIO』No.110 1997年12月 雇用サミット雑感 雇用ビックバンをいかに回避するか 11月29日、神戸で開催されていた雇用サミットが二日間の討議を終えた。95年のデトロイト・サミット、96年のリール・サミットに次いで三回目、今回からは…

「競争社会」と「平等社会」両立の模索

連合総研機関誌『DIO』No.121 1998年11月 「競争社会」と「平等社会」両立の模索 人々の価値観は、時代とともに変化する。また、それぞれの地域の歴史的伝統の影響もまた、価値観の形成の上で、無視しえない差異をもたらす。ところで、ある時、ある地域で、…

悲観の増幅はもうやめよう

連合総研機関誌『DIO』No.127 1999年5月 悲観の増幅はもうやめよう〜「日本人という躁鬱病」終止符を〜 文部省統計数理研究所の「国民性調査」第10次全国調査(1998/10実施)の単純集計結果が最近発表された。1953年に開始されて以来、5年毎に継続して実施…

「効率」の多面的理解を

連合総研機関誌『DIO』No.133 1999年11月 「効率」の多面的理解を--資本効率重視の落とし穴にはまらないために 「プリティ・ウーマン」(タッチストーン・ピクチャーズ、1990)という90年代の幕開けに世界中の人気をさらったラブ・ストーリーをご記憶だろうか…

調査研究と調査環境

連合総研機関誌『DIO』No.140 2000年6月 調査研究と調査環境 苦労して配布したアンケート調査を回収するときは、ドキドキする。回収率は期待のとおりになってくれるだろうか。設問の意味は正しく伝わっただろうか。うまくいく時もあれば、思いもかけない落と…

過小賃上げの持続はデフレのリスクを増幅する

連合総研機関誌『DIO』No.148 2001年3月 過小賃上げの持続はデフレのリスクを増幅する 最近、EUの労働関係研究機関のひとつ、「雇用と生活条件改善のための欧州基金」(The European Foundation for the Improvement of Living and Working Conditions)は、…

性急な非典型雇用拡大は人的資源の枯渇を招きかねない

連合総研機関誌『DIO』No.171 2003年4月 性急な非典型雇用拡大は人的資源の枯渇を招きかねない 19世紀半ばの工業化の始動以来、日本はスピードの国であった。イギリスが200年かけて達成したことをドイツがその半分で済ませれば、日本はそのまた半分で通り過…

懸念される所得階層の両極分解

連合総研機関誌『DIO』No.176 2003年10月 懸念される所得階層の両極分解 経済停滞が長引く中、日本の社会の安定と安心をおびやかす兆候が、ここかしこに現れてきている。1998年以来5年連続で3万人を超す自殺者、犯罪の急増、ホームレス人口の増大など、最近…

働き方の多様化と労働組合のニュー・モデル

連合総研機関誌『DIO』No.185 2004年7・8月 働き方の多様化と労働組合のニュー・モデル いわゆる非典型雇用が3割を超え、働き方の多様化がますます進展する中で、これに呼応して新しい労働組合の形を模索する動きが徐々に台頭しつつある。最近では、5月15日…

コンテンツ産業の人的基盤は大丈夫か

連合総研機関誌『DIO』No194 2005年5月 コンテンツ産業の人的基盤は大丈夫か 通信におけるブロードバンドの普及や、映像や音楽をいつでもどこでも楽しめるような各種端末機器の登場などによって、それらを満たすべき中身としての情報への欲求が加速度的に高…

健康な社会に健康な心身が宿る

連合総研機関誌『DIO』No203 2006年3月1日 健康な社会に健康な心身が宿る トリノ冬季五輪のオフィシャル・スポンサーにもなり、いまや世界的スポーツ用品ブランドに成長したアシックス(asics)の社名の由来は、ローマの風刺作家ユベナリスが残した名句「も…