みんなで織りなす豊かな時間

『JP総研 Research』Vol.10, 2010年6月号

みんなで織りなす豊かな時間
―個人の時間、家族の時間、社会の時間

鈴木 不二一

人生を生きる時間は誰にでも平等だ。1日は24時間、1年は365日、そして人生80年とすれば、生涯生活時間は約70万時間。生きられる時間に限りがあることは、誰にとっても人生の与件である。限りがあるからこそ、自分の希望にそって人生の時間を使いたいと思う。けれども、その希望は、そう簡単にかなうものではない。どうしたら、希望にかなうような、充実した、豊かな時間を過ごすことができるのか。もとより、この大問題にあらかじめ決まった答えなどないけれども、ここでは、限りある生活時間を人々がどのように使っているか、その現状と問題点を手がかりに、豊かな時間の実現をめざすための課題について考えていくこととする。その際、生活時間を個人の時間のレベルでのみとらえるのではなく、個人の生活時聞が他者と「一緒に過ごす」時間を通して、家族の時間、さらには社会の時間として展開されていく側面に着目しながら、豊かな時間は「みんなで織りなす」時間として、他者の時間とのつながりの中で創造されていくことを基本的視座にすえておくこととしたい。


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「みんなで織りなす豊かな時間」, 『JP総研 Research』Vol.10, 2010年6月号